労災事故で死亡した場合の逸失利益(損害賠償)とは?金額は?【弁護士が解説】

津木 陽一郎
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労災事故で死亡した場合の逸失利益(損害賠償)とは?金額は?【弁護士が解説】

A.死亡逸失利益とは、労災事故により亡くなったために将来の収入を喪失した損害のことです。金額は決まった計算方法があります。

逸失利益の損賠償請求ができる場合

労災事故の発生について、会社(事業主)にも責任があれば、労働者は労災保険では補償給付を受けられない損害項目である、
①慰謝料(入・通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料)
②後遺障害や死亡によって喪失した将来の完全な稼働利益(逸失利益)
③100%分の休業損害(過失によります)
の各賠償請求を会社(事業主)に対して行うことができます。

ここでは、労災事故により被災者の方が亡くなった場合の逸失利益についてご説明します。

死亡による逸失利益

労災事故により被災者の方が亡くなった場合、当然ながら、以降の稼働(労働)による収入を喪失することになります。この失った利益(収入)を逸失利益といいます。

死亡逸失利益は、(労災事故前の年収)×(1-生活費控除率)×(労働能力喪失期間に対応する係数)といった計算式で算出されます。

例として、以下のように、当時40歳で扶養親族が3人(妻と子2人)、年収400万円だった方が労災事故で亡くなった場合について算出します。
(労災事故前の年収)400万円
(生活費控除率(※1))0.3
(労働能力喪失期間(※2)に対応する係数(※3))18.3270

400万円×(1-0.3)×18.3270=5131万5600円
逸失利益は「5131万5600円」となります。

※1 生活費控除率とは、亡くなったことで将来収入が失われる一方で、将来の生活費支出がなくなることを考慮して、損害額算定の際に一定割合を生活費分として控除するものです。亡くなった方が一家の支柱であるか、被扶養者は何人か、一家の支柱でなければ男性か女性かなどによって、標準化された数値(30~50%)を用います。
※2 原則として、67歳までの年数です。
※3「ライプニッツ係数」といいます。将来の1年ごとに発生する損害を、現在の一時に受け取る(前受け)ために、いわゆる受取利息の反対にディスカウントされる、という理解です。令和4年現在の法定利率3%を前提として、27年に対応するライプニッツ係数は18.3270です。

労災保険からの受け取った給付金は死亡逸失利益から差し引かれるのか

結論から言いますと、一部のみ差し引かれます。

労災事故により被災者が死亡した場合、労災保険から、①遺族(補償)年金(または一時金)、②遺族特別年金(または一時金)、③遺族特別支給金(定額300万円)が給付されます。

これらの労災保険からの給付金について、会社(事業主)に請求できる死亡逸失利益から差し引かれるかどうかは、以下のとおりです。
①遺族(補償)年金(または一時金):一部のみが差し引かれる
「一部」がどれくらいかですが、賠償交渉が妥結した時点までに受領済みの年金(遺族年金)分、または、判決までに受領済みの年金(遺族年金)分、となります。
②遺族特別年金(または一時金):差し引かれない
③遺族特別支給金(定額300万円):差し引かれない
②や③が差し引かれない理由は、労災保険からの「特別〇〇金」は、そもそも損益相殺(差し引き)の対象にならないという損害賠償上のルールによります。

早めの相談・依頼で安心を

一個人に過ぎない被災者が、独りの力で会社やその加入する損害保険会社とやりとりをするのは困難と言わざるを得ません。

また、事故態様に関する資料の収集も容易ではありません。

ほとんどの方が労働災害に遭うこと自体初めての経験でしょうから、ご自身ではよく分からないことが多く、どのように手続きや交渉を進めればよいか、悩ましく感じられるはずです。さらに、日常生活とは別に、労災事故の対応をしなければならず、お忙しい中で非常に大きなストレスを感じざるを得ないと思われます。

また、会社によっては、「そもそも労働者(=あなた)」の過失事故であり、会社に責任はない」というように、「安全配慮義務違反がない」(=会社に責任はない)と主張したり、「労働者(=あなた)に大きな過失があった」と、仮に会社の責任を認めても「過失相殺(割合)」で、賠償額について大幅な減額を主張したりしてくる場合が少なくありません。そのような時にも、弁護士はあなたの味方となり、適切な主張を行います。

弁護士にご依頼いただくことで、会社側に責任があるのかどうかをより正確に把握し、会社側と対等に交渉することが可能となります。

「弁護士に依頼するかについては未定」という方も、お早めにご相談いただくことで、その方の具体的な事情を踏まえたアドバイスができますので、きっと不安の解消や、今後の方針を立てるお役に立てると思います。

労災事故に遭われた方で、どうしたらいいか、お悩みの方、ぜひ一度、当事務所へごご連絡ください。
当事務所のご相談は、ご依頼者の方との信頼関係を第一に考えています。そのため、恐縮ながら、ご相談は双方の顔が見える、ご来所での面談、もしくは、リモートに限らせていただいております。ご相談のご予約は、電話メールLINEでも承っております。
当事務所は、初回相談は無料にさせていただいております。ご相談はこちらからお願いいたします。

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